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2023.01.30大学

 通信制の大学で音楽の勉強をしていますが、私が大学生を始めるきっかけは学歴コンプレックスです。建築設備士の資格は大学などで専門課程を終えていることを前提にしているので、そこを通っていない人に対して長い実務経験を課していますし、介護に軸足を置いていた頃、単発で時給のいいバイトとして「試験監督」という仕事を見つけましたが、私が見たものは大卒が条件でした。こんなふうに学歴で差が付くということを高校生の私が知っていたらどうしていたか・・・。


 最初に大学生になろうとしたのは30代の頃。母が放送大学の選科履修をやっているのを見て、私もやってみようかなと思ったけど、始めることすらできませんでした。その後、祖母の介護(ほとんど母がやっていたのですが)に加えて父の介護が始まり、「仕事している場合じゃないな!」という直感で会社を休職、結局辞めて介護に専念しました。介護を始めてちょっとつらく感じたのは社会との隔絶感でした。どうにか社会とつながりたいけど仕事をするのは時間的に難しい。そこで思い出したのが放送大学でした。ちょうどBSデジタルの放送授業が始まった頃ですが、私は敢えて学習センターに行き、週1回、画面の中の先生方の話に没頭しました。介護から逃げられる時間があったのもよかったと今は思いますし、ひとつずつでも単位が取れることがうれしかったのを記憶しています。


 介護にも慣れて、単発のバイトも始めて少しずつ社会との接触が始まると、画面の中の先生の話では物足りなくなってしまいました。せっかく直接先生方に習うなら苦手なものを勉強しようと思い、美術大学の通信制2年に編入しました。スクーリングで学校に行くことが小旅行のようで、実習はとても楽しく(もちろん苦しい授業もありましたが)、苦手だと言い訳をして避けていた美術も「よく知らなかっただけ」と理解できました。コロナ禍を経て、私には学位を取れるほど美術に対する熱がないことに気づき、今は芸術大学の通信制3年に編入して音楽を学んでいます。


 この間、祖母が亡くなり、私の軸足も仕事や自分のことへ移して今に至ります。いくら子供の頃に音楽をやっていたとは言え、学問としての音楽は簡単ではない。まだまだ全然腑に落ちないことだらけですが、大好きな音楽といつまでも関わり続けたい。できれば50代の間に大学を卒業できたらいいなと思って、ぼちぼち勉学に励んでいます。

 

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