2023.01.30建築設備
私が設備屋になったのは、高校を卒業して最初に入社した会社がたまたまサブコンだった、というだけのことです。「手に職を!!」と考えてはいたのですが、身近に大卒の社会人がおらず、高卒と大卒の差がどこに現れるのかも知らず、社会人になれば技術を習得できるものと思っていたんです。のん気なものです。思い返してみると、当時「設備屋になるぞ」と決心したという感じはなかったかな。ただ目の前の仕事を覚えるのに必死で・・・もちろんまわりの方々に指導いただいたおかげなのですが、仕事をこなすことで手に職をつけられると信じて突っ走っていたように思います。
建築設備士の資格を取って「これで自分が何をやってきたか証明できる」って考えたら、「もう設計はいいかな!」なんで小生意気なことを思い、これから建てようとする建物の仕事ではなく、既に稼働している建物の仕事に興味がわきました。プロパティーマネジメントという仕事に寄り道した後、現在従事している省エネルギーやエネルギーマネジメントのコンサルという仕事にたどり着くのですが、そうこうしているうちに建築士法が変わって、建築設備士が一級建築士の受験資格となりました。「私、一級建築士を取る!」と、ここではちゃんと決心して資格学校へ通い、一次試験の10日前に父が入院するという想定外の出来事もありましたが(そこから介護が本格化するのですが)、一級建築士の資格を取ることができました。
フリーランスの建築設備士として仕事をしている中で、資格が私を助けてくれる場面があります。初めてお会いする方に対して、企業の看板の無い私が何者であるかを資格が説明してくれます。もちろん資格が仕事をしてくれる訳ではありませんが、スタートラインに立つことを助けてくれていると思います。あの時がんばってよかったなって思います。